心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

大地之節供まつり。夜の帳は水の中に沈む。

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よるのはじまりは、笛の音から。


外から四角く切り離されたお茶室の中は

照明が落とされて薄明かりに照らされる。


そこでは時間を見失う。


逢魔時か夜の帳の中か。


緩やかに流れる時の中、


見失うは此の時の流れ。


細く、優しい笛の音に、


かすかに混じる囁き声。


他愛もないいつもの話。


羽釜で焚かれるごはん。


今の時代はいつだろう。


車の音は、聞こえない。


現代の音が聞こえない。


耳に届くはやわらかな、


笛の音茶杓の奏でる音。


目を閉じ音を風を聴く。


そこにはかつての情景。


竃と野山と夏の夜の香。


時の流れは消え失せて、


かつての時に揺蕩うは、


茶室と笛の音が招ぶか。


ただただ静かに時流れ、


水の流れるおとを聴く。


柄杓から零れる水音に、


茶椀に遊ぶ抹茶の香り。


人が流れ時流れゆきて。


水がすべてを洗い流す。


お茶とお菓子と笛の音。


それらすべて水を生し。


水の世界が立ち現れる。


現の世界を洗い流して


ただ自らの流れを知る。


洗い流され清らなりて、


大地之節供


おとなのまつりが始まる。


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