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心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

おくりものがたり 伊藤まさこ 大切な人に大切な想いを込めて。

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誰かに贈り物をするのが好きだ。


それをあげた時の、誰かの喜ぶ顔を想像したら、もう。


それだけで、まだあげてもいないのに、幸せになれる。



いつもどこかへ出掛けたら、ああこのお菓子は、この小物は、この食器は、あの人が喜びそうだなあ、とついつい考えている自分がいる。


最近、はちみつにハマっている友達がいて、うっかりしっかりはちみつが目に止まるようになってしまった。そして、目に止まるとそれをあげたくて仕方がなくなってしまう。


延々それを繰り返していたらきりがないから、ある程度のところで踏みとどまるのだけれど。


どうしようもなく、あの人にこれをあげたい、という衝動が走ったらもう駄目だ。その気持ちに素直に、それを連れて帰ってその人の手に渡るその日をワクワクしながら待つ。


そんなわたしと同じような人を、本の向こうに見つけた。


しかも、わたしよりも筋金入りの贈り物マスター。彼女のその細やかな気配りと、素敵なこだわりは、ぜひとも見習いたいと思うほどに。



とてもやさしくて、あたたかくて、本を読んでいるだけで、ほっこり幸せな気持ちになれる、そんな人。



この本に詰め込まれたのは、彼女がひとつひとつ、想いを込めて選んだおくりものたちと、その時の彼女の想い。


それはあまくてやわらかくて、口の中でふわりと融ける砂糖菓子のよう。


ひとつひとつのおくりものに、ひとつひとつの言葉たちに、彼女が愛おしく、大切に思う人へのあたたかい眼差しを感じる。


その彼女のあまい気持ちをもらって、うっかりここに紹介されているおくりものを、だれにあげようか、と想いをめぐらせるほど。


このおくりものの中に、自分も好きな一品を見つけると、どこかであまくてやさしい彼女とつながれたようで、それもまた心地よい瞬間だ。


どのおくりものも、きっともらったひとたちをひとりひとり、しあわせにしているんだろうなあって。


そんなことを思う。


そして、実は、この本自体がおくりものなのだ。


この本を読んだ人へのおくりもの。


おくりものをもらうって、誰かが自分を想ってくれたその想いをうけとるって、とってもしあわせなこと。


そのしあわせを、おすそわけしてもらえるのがこの本。


そして、そのページをめくるたび、


おくりものをあげたい誰かが思い浮かぶ。


この本を読み終わって閉じたとき、


その足でだれかへのおくりものを探しに行きたくなる。



そんな、

とても、


やさしくて。


いとおしい。



おくりものがたり。

おくりものがたり

おくりものがたり