心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

昔ながらのお煎餅屋さんのおはなし。

毎日通る道に、昔ながらのお煎餅屋さんがある。

お煎餅の種類ごとに透明な瓶に入れられていて、これは海苔煎餅、これは醤油煎餅って、手書きの文字で書かれている。

小さな、小さな、ひとが5人も入ったらいっぱいになるようなお店。
きっと昔からずっとずっと続いているんだろうなって思うような。

入ったことはない。

けれど、わたしはあのお店にはおばあちゃんがいて、一枚一枚丁寧に、昔ながらの、親から伝えてもらった通りの焼き方で、焼いているんだって思ってる。

朝の7時にはもう開いている。夜の何時に閉まるのかは知らない。

けれど、きっと5時か6時には閉まって、みんなで食卓を囲むんだろうなって思ってる。

お煎餅屋さんの近くには、神社とお寺があって、毎日朝早くからお参りに行って、今日も一日が始まることに感謝して、そうして今日もお煎餅を売っているんじゃないかって思う。

店の前を通るのがいつも早朝だからかもしれないけれど、お店に人が入ってるのは見たことがない。

それでもきっも、 お昼には近くのひとがやってきて、おばあちゃんとなんでもない話をして、いつものようにお煎餅を一枚買って帰るんだ。

人がいなくても、どんな人がやってるかがわからなくても、それでもなんだかあたたかくてやわらかい日々が想像できるようなそんな場所。

そんな場所が、町の片隅にあるということが、なんだか平和で幸せだ。


こんなことを書いていたら、そのお煎餅屋さんに行きたくなってしまった。

えび煎餅を一枚買って、そうしてお金を渡したのは、まあるいおじいちゃんで、おばあちゃんではなかったけれど。

それもまた、空想の楽しさだ、とそう思う。

次に来るときは、このお店の歩んできた道のりを聞けるといい。

f:id:kayamy:20161126211137j:plain