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心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

大地之節供。 美しき中国茶。瑞々しい和菓子。出逢えた幸せと口に出来た喜びと。

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ただ、並んでいるだけで凜とした佇まい。
静かに、ゆっくりと、丁寧に、心を込めてお茶が淹れられる。

その静かで美しい所作に、ひとりひとりが固唾を呑む。

ただ、目の前で美しく閃く指先と、神々しさを湛えた茶器を、器を見守る。

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この日に選ばれたお茶は、木柵鉄観音

その仰々しくも感じる名前とは裏腹に、仄かに甘い優しい味のお茶。

ひとくち飲むと、心が緩まり軽くなる。

そんな優しく澄んだ、美しいお茶だった。

喉が渇いていても、一気に飲むのではなく、ひとくちずつ、丁寧に味わいながら大切に飲みたいと思わせられるお茶。

ひとりひとりに行き渡ったお茶は僅かだったけれど、それで十分だった。それで心も体も十分に満たされる、そんな不思議な力を感じるお茶。


それは、彼女が淹れたからこそ、なのだろうと思う。


とても優しい笑顔が素敵な美しい人。その佇まいがそのまま、このお茶に現れていた。


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この日いただいた和菓子は、わたしの今までの和菓子の概念を覆した。


水の流れを表した美しい姿。

透明で澄んだ水の流れを思わせる。

白と黒で彩られたその姿は、

生と死の象徴のようにも思われた。


水と。

生と。

死と。

そのすべてをひとつにした和菓子。


それは、ただただ美しいだけではなく。


餡で出来た和菓子からは想像もできないような瑞々しさ、軽やかさ。


それこそまるで水のような、さらり流れていくような、優しい甘さ。


こんなにもすうっとほどけるような、こんなにも爽やかな和菓子があるのかと。


それは、衝撃以外の何者でもなかった。


まるで夢のようなひととき。ひとくちひとくち大切にいただき。名残を惜しみながら最後のひとくちを食べ終えた。


こんなにも、体も心も満たされる和菓子に初めて出会った。

こんなにも、さらさら流れていく和菓子に初めて出会った。


すべてが。本当にすべてが素晴らしすぎる時間だった。


本当に、本当に。
ありがとうございます。


この日、ここに来れたこと。
心から幸せです。

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紫をん