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心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

大切な日。大切な出会い。大切な繋がり。秋分の日の不思議な話。とても大切で重要な日の奇跡の話。

大切でとてもとても尊敬しているひとに、

大切な大切な木の下へ案内してもらった。


わたしのかつての通勤経路上に彼はいた。

わたしは彼の前を通り会社に行っていた。

仕事があまりにも辛くて辛くて引っ越して、そうして通勤経路として彼の前を通る家を選んだのは偶然だっただろうか。

彼のことに気付いたことも、気遣ったこともなかったけれど、きっと彼はこの前を通るわたしたちのことを見ていた。

ずっと見守ってくれていた。

彼が、わたしの人生を支えてくれていたのではないか、とそんなことを思った。

なぜなら、引っ越してから流れが一気に変わったからだ。

引っ越したその瞬間、会社でわたしの業務に対する配慮が言い渡された。

もちろん、業務上のことだけで、精神面の回復にはそれからかなりの時間を要したのだけれど。

それでも、あの時からわたしの人生は変わっていった。

単なる偶然だと片付けてもいい。

それでも、あの場所から離れてもう彼の前を通ることがなくなってからまた、こうして再会の日が訪れたのもまた何か意味があるような気がするのだ。



ゆっくりと彼に近づいていく。

彼の姿が視界に入った時、最後まで言われなくても彼がそうだ、とわかった。

北海道で出逢った千年のミズナラの木を想う。

彼女と北海道の地で会えたことも必然だった。

この日また、この地で彼に会えたこともまた。

彼を前にして、あふれてきたのは感謝だった。


本当のところがどうなのかなんてわからないけれど。

それでも、ここにいてくれたことに、ずっとそばにいてくれたことに、ただただ感謝した。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

ただただ、ありがたいなあと、そればかりを思う時間だった。


数多ある木の中で、彼だけがただまっすぐに日の本を見ていた。

日本の中心を。

あんなにたくさんの木があって。それなのに、彼だけが。  

それはまるで膝をついて祈る人の姿のようだった。

数多の人が違う方向を見て各々の道を行く中で、彼だけが後ろを向いてすべての人のために祈る。

誰ひとり彼と共には行かず、誰ひとり彼を省みることはない。

けれど、それでもいい。

彼は誰かに認められることを求めているわけではない。

ただ、彼は彼のために、彼の愛するこの地のために、この地に住む人のために、命ある限り祈り続けるのだ。

この日に聞いた奇跡のような話。

この日に感じた宝物のような時。


わたしは、どんな形であったとしても、いずれこの地に帰ってくるのだろうな、と。

そんなことを思う。

一度離れた場所だけれど、必ず。

この時、わたしは以前の職場に戻るイメージを抱いた。

かつて、この国に住む人々が、何ものにもとらわれずに自由に心のままに生きるための礎になろうと、そのために自分の命を使おうと覚悟を決めた日のことを。

あれからわたしは試行錯誤と悩み苦しみを通して随分と遠いところまで来てしまったけれど。

そうして、もうあの場所には戻らないと誓っているのだけれど。

大切なことは、あの場所に戻ることではなくて、どこにいても何をしていても、あの時の初心を忘れないで生きていく、ということなのかもしれない。

まだ、わからない。

あの、わたしの性質に何ひとつ合ってはいない、学びはたくさんあれど、わたしの特性を活かすことの出来ない場に戻るイメージをこの時抱いた理由。

あのイメージを抱いても、今の場所を離れる意思にゆらぎはなくて。

なのに、彼の前に立って祈りを捧げたあの瞬間、鮮烈に、確信を持って、あの場所に戻る事を思い描いたのだ。



自分の中に思い浮かぶものは、自分の中にあるもの。

たぶん、何か意味があるのだろうと思うのだけれど。


この日聞いた話も含めて、
不思議な、不思議な時間だった。

彼と会ったのは秋分の日。
一年の中で、とてもとても大切な日。


全部、意味がある。

この時わからなかったとしても。

ずつとわからなかったとしても。


わたしは毎日、自宅に置いている実家近くの神社のお札に祈りを捧げてから家を出ているのだけれど。

彼と会ったその日から、その札の向こうに彼を見る。

それはとても不思議な感覚で。

わたしにとって彼がとても大切な存在だったのだと。

そんな出会いを友人にもたらしてもらえたとのだと。

それに、毎日、毎朝、とてもとても、感謝している。


不思議な話。意味不明な話。大切な、話。

自分でも何を書いているのだろうと思うけれど。

それでも、これがわたしの感じていること。


あの日あの場所に導いてくれた友人に。
あの日あの場所で共に過ごしてくれた友人に。

あの日あの場所にいてくれたすべてのものに。

心から、ありがとうございます。

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※写真はイメージです。