心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

人も、料理も同じ。魅力を引き出す秘訣はそのもの自体の味を引き出すこと。

十数年ぶりの再会。


わたしではなく、わたしの尊敬するひとの、かつての仲間との再会の場にありがたくも恐れ多くも同席。

まるで去年まで一緒に働いていたかのような、あたたかい、慣れ親しんだ空気があふれる、とてもやさしい時間でした。

あんなこともあった、こんなこともあった、今あいつどうしてるんだっけ、あの時のあれはどうなったんだっけ。

十年以上前のことなのに、色鮮やかに、昨日のように会話ができる。
十年以上前に離れたあの日から、今日にそのまま繋がったみたいだ。

けれど、こうして繋がれるのは、ひとりひとりが自分なりに、あの日から確実に前に進んできたからだと思う。

あの時、同じ場所にいたひとはほかにもたくさんいたはずで。でも、この日ここに集まった人たちだけが繋がった。それってそういうことなんじゃないかと思う。

離れたあの時から全く進んでいなかったとしたら、きっと同じ感覚で、同じテンポで会話は出来ない。

昔のことを話していても、どこかでズレを感じる。ああ、もうこの人とは同じ場所に立っていないんだなと、そう感じさせる空気がその場を支配する。

なんとなく、場を早めに切り上げたくなったり、次の言葉を、話題を探したり。
相手の何が変わったわけでもない。相手のどこかが気に入らないわけでもない。
ただ、変わらないことが人と人とを遠ざけることがある、とその時知った。

この日の会話はとてもなめらかで、楽しくて、軽やかだった。なにひとつこの日までの時間の詳しいことは聞いていないけれど、ここに集ったひとりひとりが、前を向いて挑戦し、行動し、結果を積み重ねてきたのだろうと思う。

だからこそ、この日に十数年ぶりの再会が実現した。

ひとりひとりが魅力的で、笑顔が素敵で、話していても楽しくて。難しい挑戦をしているとか、精力的な活動の話をしているとかそんなことがなくても。
他愛もない話をしていても、この人はきっと魅力的な人生を歩んできた、素敵な人なんだろうなっていうその雰囲気は伝わる。

そんな素敵なひとたちに囲まれて。
ひとつひとつ、どれも心から感動するほど美味しいと思うお料理を。
個性的で魅力的な、この日集まったひとたちみたいなワインとともに。

これ以上幸せなことってないな、とまたもやそんなことを思いながら、人と人との繋がりと、その素晴らしさを感じながらの時間。

この時間が終わった後の何気ない話の中で、美味しい料理の秘訣は「味は足さずに引き出すだけ」だと教えてもらったのだけど。

それって人も同じだなと思う。

たくさんの、しがらみと常識と恐れとに、がんじがらめになっているほど、その人そのものの味が出なくて。いろんな調味料を足して誤魔化さなければならなくなる。


でも、それらをどんどん手放して引いていけば、その人そのものの味が染み出してくる。それをどんどん引き出していけば、自分以外のもの、調味料はいらなくなっていくんだろうな。

だから、美味しい料理ほど、使っている食材が驚くほどにシンプルだったりするのだろう。

うっかり人生の学びを得た、美味しくて楽しくて幸せな、とっても満たされた時間でした。
この日に招いていただけたこと。迎え入れていただけたこと。本当に、本当にありがとうございます。 

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