心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

撮らせてもらう、お邪魔しますの気持ちを大切に。

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わたしたちは、目の前にいる誰かのことをどれだけ知っているだろうか。

わたしたちは、目の前にいる動物のことをどれだけ知っているだろうか。

彼らにも、ひとりひとり人生があり、ひとりひとりが違うことを考え、個性を持って生きている。
家の中で一緒に過ごす犬や猫にはそれを感じるのに、ひとたび外に出て、「群れ」や「風景の一部」として見たとき、わたしたちはそれを忘れてしまう。

目の前を飛ぶタンチョウには家族がいて恋人がいて。
目の前を横切るフクロウには食べ物を待つ子供がいる。

観光に訪れたその先で、「珍しい光景」として彼らを見たとき、わたしたちはそれを忘れてしまう。

出会えた嬉しさと、観れた喜びで、彼らの領域に土足で踏み入るような真似をしてしまう。

もちろん、そこに悪気などないけれど。

わたしたちが足を踏み入れるその場所。
わたしたちがカメラを向けるその瞬間。

わたしたちは、彼らの「いつもの毎日」にお邪魔させてもらっているのだと、その感覚を持っていたい。

わたしたちは誰かの写真を撮るとき、多くの場合「撮ってもいいですか?」と聞く。
けれど、動物たちに対してはそんな風にはしない。当たり前に撮っていいかのようにカメラを向ける。

でも、人であるか動物であるかで、そこに違いはない。
直接話しかけないにしても、「お邪魔します」「ちょっと撮らせてください」そんな気持ちを持って、撮らせてもらいたい。

美しいもの、感動するものをカメラに収めたい、その気持ち自体は本当に素敵なこと。
ただ、カメラを向けるということは対象がいるということ。
写真は、その対象がいなければ撮ることはできない。

写真に収めたいと思うような素晴らしい瞬間を見せてくれた、そのものに対して、いつも、尊敬と感謝の念を持っていたい。
対象を美しく思うこと、その美しさを見せてくれたそのものへの尊敬の念を抱くこと、そしてそれを撮らせてもらうことへの感謝。
そういったものは、写真にも現れる。

旅先で出会った動物たちのひとりひとりを大切にすることは、すぐ近くにいる大好きな人たちひとりひとひを大切にすること。

どこで、だれに、なにに対して、ではなくて、どんなときでも変わらずに、目の前にあるものを大切にすること。尊重すること。
それが、わたしたちのあり方につながる。
わたしたちの世界を作り上げていく。

そんなことを教えてくれたのが、プロのネイチャーガイドであり、フォトグラファーの安藤誠さんでした。

いつもは北海道にいる彼の写真が、横浜の赤レンガで開催される、ネイチャーズベストフォトグラフィーアジア展で見ることが出来ます。

彼の写真からあふれるのは、自然の奇跡への畏敬の念と、そこに暮らす生き物たちへの深い愛情。

実際に、その目で見てみてください。

会期:8月27日〜8月31日
時間:10:00〜18:30
会場:赤レンガ倉庫1号館