心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

いつでも、どこでも。毎日を旅先に。

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電車に乗って、飛行機に乗って、どこか遠くへ行くのが旅だろうか。

心震えるような景色は、感動するような光景は、その先にしかないだろうか。

そんなことは、ないんだ。
日々を過ごすその場所も、ひとたび視点を変えれば旅先で。
いつもの道も、いつもの空も、どこを見るか、どう見るか、でまったく違う表情を見せる。

自宅から、一歩踏み出しさえすれば、そこは旅先。
同じ景色を見ていても、誰一人、同じ世界を見てはいない。
カメラを構えてシャッターを切れば、そこにはひとりひとり違う、個性と彩りあふれる世界が輝いている。

彼は、iphoneだけを持って彼だけの「旅」に出る。

高性能な一眼レフカメラを持つわけではなく。
大切にしているのは、その身軽さと軽やかさ。

そして、iphoneで撮る世界も、十分に魅力的で、
新鮮な驚きと震える感動にあふれているのだと、
そんなことを、見ている人に気づかせてくれる。

特別なものを持たなくても、
特別な場所に行かなくても、
自分がそう、願ったならば、

そこは旅先になる。

誰かが訪れる旅先は、誰かにとっての日常。
毎日見ているいつもの景色に、感動する人がいる。
毎日見ているいつもの景色のために、時間とお金を使う人がいる。

わたしたちが毎日見ているいつもの景色は、誰かにとっての宝物。心震えるほどに感動する、奇跡の場所なんだ。

そんなことを、彼の切り取る世界から教えてもらう。
彼の写真はどこか違う世界を旅しているかのようで。
同じ光景が、こんなにも美しく生まれ変わるのかと。

彼の感性と、豊かで彩り溢れる優しい世界に、
何度でも何度でも感動する。心震わせられる。

どんなに写真を加工したとしても、
わたしには彼のような世界は見えない。
彼の写真を見ていると、心がすうっと軽くなる。
心のどこかがあったかくなって、優しい気持ちになる。

彼自身も、とても穏やかで優しく、素敵な人です。
彼と、彼の紡ぎ出す世界を観に原宿へ出かけた、あの時の時間を、とても懐かしく思う。

ただ優しくて幸せで、満ち足りていた時間。
真っ白い小さなスペースは彼の世界で。
足を踏み入れたらそこは彼の空間だった。

真っ白なキャンバスに描かれた彼の世界で。ただただ彼の写真と、文章にひたる時間。

あの時間を、あの空気を思い出すと、今でも心が軽くなる。
あの時交わした言葉。
あの時過ごした時間。
あの時感じた、空気。

全部がたからものみたいだった。

あの時に撮った写真は瞬時にわたしをあの時間に連れて行ってくれる。

個展の期間が終わって、あの写真はわたしの手元にはないけれど。
あの時間は確かにわたしの心の中にあって。
いつでもあの時間に戻ることができるんだ。

そんなことをふと思う。
だから、経験は永遠なんだ。
いつでも、好きな時に、自分の中にあるたからばこを開けて、あの瞬間に戻れるのだから。

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