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心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

すべてのひとの人生は、ひとつの劇になるほど素晴らしい。

どこにでもいる、ここにしかいない、「あなた」の人生を朗読劇にする。


朗読劇「Re*WRITE」

絶望のどん底から這い上がった、ひとりのひとの人生を朗読劇にする、そんな素敵な試みをしている団体があります。

モデルとなるのは有名でもなんでもない、そこにいる「あなた」。日々を懸命に生き、闇の底でもがき、そして自ら光を掴んだひとたち。

ひとりひとりは、いわゆる「特別なひと」ではない。
けれど、ひとりひとりが、そのひとにしかないきらめきでそのひとの人生を生きている。

なんでもない、つまらない、そんな人生なんてない。
すべてのひとの人生は、ドラマチックで素晴らしい。

そんなあなただけの、かけがえのない時間を朗読劇で再現する。

劇を創り上げるそのプロセスは、そのひと自身がよりいっそう自分の過去を受け入れ、自分の人生を愛おしむ時間になる。

そして、わたしたちは、その劇から勇気を、希望を、きっかけを、感動をもらう。だれかの懸命に生きる姿はそれだけでひとの心をふるわせるのだ。

そして、そんな風に感じてくれるひとたちの存在が、よりいっそうモデルとなったそのひとに、自分の人生の素晴らしさ、かけがえのなさを教えてくれる。

朗読劇を観るひとたちにとっても、朗読劇のモデルになったひとにとっても、かけがえのない、素晴らしい時間が創り上げられる。

そんな、素敵な場。

この時、モデルとなったのは、わたしの友人でした。

摂食障害、鬱、自殺未遂…毎日死ぬことしか考えていなかった39年間。
その絶望の日々に、「ありがとう」とさよならを告げられるまでの軌跡。

母は、いつもわたしを見てくれなかった。
大切にするのは、優しくするのは弟ばかり。

わたしが傷付いても無視するのに、弟には寄り添う。
わたしがどんなにお母さんの喜ぶことをしても受け取ってくれないのに、弟がした些細なことには喜ぶ。

わたしは、お母さんにとって、なに、なんだろう。

お母さん、わたしを見て。
お母さん、わたしに優しくして。

お母さん、、、わたしを愛して。

どうしたらわたしを見てくれるんだろう。
わたしはなぜ生まれてきたのだろう。
お母さんに愛されないわたしが存在している意味があるんだろうか。

ご飯を食べなくても空腹を感じなくなった。
ご飯を食べないことが、異常だと思わなくなった。

痩せすぎだよ、その言葉は耳に入らなかった。
どんなに鏡を見ても、太った醜い自分の姿があった。

母がたまりかねてわたしを病院に連れて行った。
このひとは何を言っているんだろう。
わたしはなにひとつおかしくない。正常なのに。

このとき、わたしの体重は、40kgを切っていた。

拒食と過食を繰り返し、こんなわたしを愛してくれる人と出会い癒され、けれど震災が彼を変えてしまった。

逃げるように彼から離れ、そうして、

絶望が自分を包む。
何度も自殺を試み、何度も失敗した。

雪が降る、と天気予報が伝えたその日、凍死しようと心に決めて、自宅を後にする。

空を見上げ、雪が降り積もるのを待った。
ただ自分の死を待つ間に、頭をよぎったのは、
家で待つ家族。ペットのうさぎの姿だった。

自分が死んだら、彼も死んでしまう。
自分が死んだら、彼はどうなるのか。

まだ、死ねない。
自分は、死ぬことはできない。

こんなにも絶望しているのに、死ねない自分と出会ってしまった。

そしてその後に訪れたのが、
彼女の人生を変える一冊の本との出会い。

彼女は、人生の舵を切ることを決める。
たくさんの人に会い、たくさんの本を読み。
さまざまなことを実践し、試していった。

路上で文字を書くアーティストとの出会い。
彼は目の前の人を感じ、その場で文字を書く。

彼にもらった言葉に彼女は涙する。
なぜ、この人はこんなにもわたしのことがわかるのか。
彼にもらった言葉で、自分を受け入れ、自分の可能性をその先に見る。

多くの人との出会いが彼女を過去の楔から解き放った。
多くの人から、たくさんの愛をもらった。
前を向くことを決めた彼女に、世界は優しかった。

今、彼女は自分の周りには尊敬できる、大好きな人しかいないとまっすぐに言う。

わたしの周りにいるすべてのひと、ひとりひとりに本当に感謝している。

最後に、彼女が読み上げた感謝の手紙。
束になったそれら。
ひとりひとり、出会ってくれたひとに感謝の言葉を綴っていたら、止まらなくなった。
あのひとにも、このひとにも、ああこのひとにも感謝を伝えたい。

溢れ出るありがとうの言葉。
止まらない感謝を綴る指先。

その中に、自分の名前があるだなんて、誰が思うだろうか。
彼女とわたしが出会ったのは、ほんの一ヶ月ほど前なのだ。

それなのに、彼女は、わたしに対しても丁寧に感謝の言葉を綴ってくれた。
まるで、夢を見ているかのようだった。

そして、彼女の大きくて深い愛に満たされたような気がした。

わたしは彼女の晴れ姿を見守りたいと、彼女の半生を受け取りたいと、そう思ってこの場に足を運んだけれど、なんのことはない、両手で受け取れきれない素晴らしい贈り物をもらったのはわたしだった。

彼女のそんな存在が、あり方が、周りのひとたちをしあわせにするのだとそう思う。
素敵なひとたちばかりが彼女の周りに集まるのだとそう思う。

わたしが、彼女に対して感謝しかない。

素晴らしい時間を、本当に、本当にありがとう。
あなたに出会えてわたしはとてもとても、幸せです。


朗読劇「Re*WRITE」

ユアアールピージー

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