心の景色の旅に出る。

こころふるえるだれかとの時間、そのものの中にあるだれかの想い、だれかの、じぶんのこころを旅したその軌跡を綴っています。

8月8日、わたしたちは借金生活に入った。

2016年8月8日。
アース・オーバーシュート・デー。

わたしたちは地球が一年間で作り出す資源を8月8日で使い果たした。
残りの資源は、未来のわたしたちのこどもたちが、そのこどもたちが使うはずだったもの。
2014年は8月19日に、2015年は8月13日に資源は枯渇し、「その日」はどんどん早くなっている。

わたしたちは未来を毀損しながら生きている。
ただ、生きるだけで、未来の誰かを殺してる。

彼らが飲むはずだった水を、彼らが食べるはずだった果物を、彼らが愛でるはずだった花々を奪っている。


何もない砂漠。
どこまでも続く地平線。

男が叫ぶ。
ごめんなさい。
すべてを奪ってしまって。
すべてを浪費し尽くしてしまって。
あなたたちには何も残らなかった。

命。さえも。

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

いや。

今ここから始めるのだ。
この未来を現実にしないために。

けれど、わたしたちの意思のなんと脆いことか。

毎日流れ行くすべてに翻弄されて、今目の前にある欲望に手を伸ばす。

あまりにも簡単にものが手に入りすぎて、
あまりにも簡単に情報が手に入りすぎて、

わたしたちは、未来の悲劇を、この品物に潜む嘆きを、想像する力を失ってしまった。

100年後の未来の痛みを、今我が事のように想像することは難しい。

地球の裏側での嘆きを、今、我が事のように感じることは、難しい。

でも、そんな壮大なところから始めようとするから歩みが止まるのだ。

ただ、今ここにある自分を大切にすることが、地球を、そこに住むひとたちを大切にすることに繋がるんじゃないかって思う。

わたしのことが大切なら、わたしにとって害になるものは食べない。
わたしのことが大切なら、わたしにとって必要ないものは持たない。

そうやってわたしのことを大切にしていたら…。
目の前にいるあなたも大切なんだって気づく。

目の前にいるあなたとつながっている誰かも。
その誰かとつながっている、見知らぬひとも。

だれかが飲む水を大切にすること。
だれかが住む場所を大切にすること。
だれかが愛でる花を大切にすること。

どこかでいつか繋がるといい。
声高に責めることは、幸せな世界を作らない。

いまここから始められる一歩を、ささいなささいなその力を、ただた信じて歩み続ける。

その先にしか、たぶん望む未来はないんだろう。

まだまだわたしは現代の、大量消費、大量廃棄の社会の中にいる。

なにかを選択するたびに、だれかを悲しませている。
でも、それを毎日毎日思い続けるのはとても辛い。
その気持ちで未来を変えようとしたら、今ここにある幸せは消えてしまう。

そんな思いで、ひとはやっぱり動けないと思うのだ。

だれもがしあわせを求めていて、喜びを願っていて。
どんなに素晴らしい未来がその先にあっても、今ここにある幸せが毎日失われていったら、それを続けることが辛くなる。

からだがよろこぶから、丁寧に、自然栽培で育てられた野菜を食べる。
こころが軽くなるから、丁寧に、自然の糸から手織りで作られた服を着る。

そんな、毎日が送れるといい。
そんな、時間を過ごせるといい。

そうして、それが巡り巡って大切なだれかの大切なだれかの大切なだれかの…地球のだれかのためになればいい。


アース・オーバーシュート・デーのことを教えてくれたのは、20代前半の友人だった。

彼自身は、めちゃくちゃゆるい風貌で話し方で、その実めちゃくちゃ綿密に論理的に自分の世界を構築してくるから、ほんと詐欺だと思うのだけれど、でもそういう風にぎりぎりまで自分を緻密に積み重ねているからこそゆるくもあれるのかもしれない。


夏休み、ただ毎日だらだらと過ごしていたら、自分がぐずぐずになって溶けてしまうような、そんな恐ろしさを感じたことはないだろうか。
なにもしていないこと、なににも縛られないことへの恐怖。

自分を形作るものがはっきりしているからこそ、いくらでも自分を解放できる。どこまでもゆるくあれる。

これだけ緻密であるにもかかわらず、こんなにも力が入らず自然体であることが奇跡のようだと思っていたけれど、でも彼はそれを美しく表現できるというだけで、ゆるく自然体で生きている人は、それが例え言語化ができなくても、自分というものが緻密に積み上げられているのかもしれない。

そんな彼のあり方が、生き方が、やっぱり好きだなあと、だから、彼の教えてくれるもの、気づかせてくれるもの、そういったものを大切にしたい、とそう思う。

アース・オーバーシュート・デー
※昨年の記事

f:id:kayamy:20160810234122j:plain